「ドリルねじ(セルフドリリングスクリュー)」
1. ドリルねじとは?
ドリルねじは、「鋼板に下穴をあける」「タップを立てる(ねじ山を切る)」「締め付ける」という3つの工程を、下穴なしで同時に行える画期的なセルフドリリングスクリューです。
ドリル部分の製法は、主に「切削(削り出し)」と「圧造(プレス成形)」の2種類に大別されます。
2. メーカーによる多様な呼び名(商品名)
ドリルねじは、メーカーやブランドによって様々な呼称(商品名)で呼ばれています。
・代表的な呼称一覧: ピアスビス、ユニポイント、ニューポイント、MBテクス、ドリルスクリュー、ジャックポイント、ダンバ、シルタップ、エクセ、クイックビスなど。
3. 頭部形状・用途による主なバリエーション
用途や締結する部材(相手材)に合わせて、非常に多くの頭部形状や機能を持ったタイプが使い分けられています。
① 基本的な頭部形状
・なべ(パン)/ 皿(フラット)/ 六角(ヘックス): 最も標準的な形状です。
・シンワッシャー(モドトラス、CW等): 頭部が大きく薄い形状。木片セメント板や薄板を鉄骨に留める際に使用されます。
なべ(パン)
※サンコーインダストリー様 資料引用
鉄 ナベ頭 4mm x 13mm 小箱 (4x13-80本入)
② 木材やサイディング用
・リーマーフレキ / フレキ: コンパネ、木、サイディング、木片セメント板などを鉄骨に留める際に使用します。
・サッシュ用(特皿、特小頭): サッシを鉄骨に留めるための頭部が小さいタイプです。
リーマ
サッシュ用(特皿、特小頭)
3価ホワイト ピアス皿D=6小頭 4X13 【1000本入】
③ 防水・外壁・屋根用
・ステンレスキャップ付 / シールHEX: ゴムパッキンやステンレス製のキャップ・座金が一体となっており、カラー鋼板やサイディングなどの防水性が求められる場所(屋根・外壁など)に用いられます。
・プラカラー / プラヘッドダンバ: 頭部が特殊プラスチックで覆われており、カラー鋼板などの色合わせや意匠性・防食性を高めるために使用されます。
・セッパンビス / ルーフテクス: 折板(せっぱん)屋根同士を緊結するための専用ねじです。
④ 特殊な高性能タイプ
・ピアスイレブン: ねじ山が「二条ねじ」になっており、施工性に優れます。独自のねじ山形状により、薄鉄板同士でも高い保持力を発揮します。
・ロングポイント(#5ポイントなど): 厚みのある鉄骨(適応板厚 6.0〜13.0mmなど)へ直接施工できる、ドリル刃先が長いタイプです。
・アルミサッシ用(ジャックスターなど): SUS304やSUS305などのステンレス材が使われており、非磁性かつ高い耐食性を誇ります。
・ALC用ダンバ: ALCパネルを鉄骨下地に固定するための専用ねじです。
・ピアスインサート: 型鋼に配管やダクトを吊り下げるためのインサート用ねじです。
4. 主な材質
使用環境(屋内、屋外、沿岸部など)や耐食性の要求レベルに応じて、材質が使い分けられます。
・鉄(炭素鋼): 一般的な強度とコストパフォーマンスに優れる。
・ステンレス(SUS410, NSSC 550): 高い強度と一定の耐食性を両立し、ドリルねじで最も主流とされるステンレス材。
・高耐食性ステンレス(SUS304, SUS305, SUS XM7など): 優れた耐食性と非磁性が必要とされる部位(アルミサッシ用など)で使用されます。使用上の注意 ドリルねじは、ねじの呼び(太さ)や種類によって「適応板厚(ドリルで貫通できる相手鋼板の厚み)」が厳密に決まっています。これを超えて使用すると、刃先が潰れて貫通しなかったり、ねじ切れが発生したりするため、施工の際は必ずメーカーのカタログ仕様書を確認することが重要です。
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