3点押し緩み止め薄型ナット【スリープレスナット】
今回は、「スリープレスナット」のご紹介です!
スリープレスナットは、非常に高い緩み止め効果を持つ、特別な「3点押し緩み止め薄型ナット」です。
1. スリープレスナットの仕組み(なぜ緩まないのか)
一般的なナットは振動や衝撃が加わると徐々に回転して緩んでしまいますが、スリープレスナットは独自の加工でこれを防いでいます。
・3点の刻印(変形加工) 製造工程において、薄型ナットの外周から「計算された角度と大きさ」で3カ所に刻印(プレス)を打ち込んでいます。
・内部ネジ山の変形と摩擦トルクの発生 この3点からの圧力によって、ナット内部のらせん(ネジ山)がわずかに内側に変形します。ボルトを締め込む際、この変形したネジ山がボルトを全周から強く締め付ける状態になり、強力な「摩擦トルク(回りにくさ)」が発生します。これがストッパーとなり、激しい振動でも絶対に勝手に回らない仕組みになっています。
※サンコーインダストリー様 / コーシン様 資料引用
2. 主な特徴とメリット
・「薄型(低形)」であること 一般的な緩み止めナット(Uナットやナイロンナットなど)はある程度の厚み(高さ)が必要ですが、スリープレスナットはベースが薄型ナット(一般的なナットより背が低い)です。そのため、スペースが限られた狭い場所や、ボルトの突き出し長さを短く抑えたい場所に最適です。
・トルクの調整が可能 刻印を打つ位置や深さを調整することで、用途に合わせた適切な戻りトルク(締め付け・取り外しの固さ)にコントロールして出荷されています。
・「簡単に緩むと困るが、外せないと困る」に対応 完全に固着してしまうわけではないため、工具を使えばしっかりと取り外すことが可能です。メンテナンス等で脱着が必要な箇所にも適しています。
・高い信頼性(ユンカー振動試験をクリア) ネジの緩み耐性を評価する最も厳しい試験の一つである「ユンカー式振動試験」において、優れた緩み止め性能が実証されています。
3. 主な用途
自動車、鉄道、産業機械、電気機器、建築金物など、「常に激しい振動や衝撃にさらされる場所」かつ「通常の厚みの緩み止めナットではスペースが足りない場所」で広く採用されています。
一言でまとめると、「薄型でありながら、3カ所のプレス変形によって強力な摩擦を生み出し、激しい振動からネジを守るプロ仕様の緩み止めナット」です。
注目ポイント:際立つ「薄さ」
一般的な標準六角ナット(1種)と高さを比較すると、スリープレスナットがいかに薄いかが分かります。
・M6: 標準ナットは約5mm ➡ スリープレスナットも5mm(標準並みの薄さ)
・M8: 標準ナットは約6.5mm ➡ スリープレスナットは5.5mm(約15%ダウン)
・M10: 標準ナットは約8mm ➡ スリープレスナットは7mm(約12%ダウン)
・M12: 標準ナットは約10mm ➡ スリープレスナットは8mm(約20%ダウン)
このように、サイズが大きくなるほど「通常の緩み止めナット(厚みが増す傾向にあるもの)」に比べて劇的に高さを抑えられることが、この寸法データからも実証されています。
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