ケミカルアンカー(回転・打撃型 / 打ち込み型)、ケミカルボルトの選び方
昨日、「ケミカルアンカー、ケミカルボルト」のご注文がありましたので、ご紹介します!
ケミカルアンカーとは?
ケミカルアンカーは、コンクリートなどの基材に穴を開け、**接着剤(樹脂)**を使ってボルトなどのアンカー筋を固定するアンカーです。
ボルトの引張力やせん断力を、接着剤の強力な固着力でコンクリートに伝えるため、非常に高い強度が得られ、重い機器や重要な構造物の固定によく用いられます。
ケミカルアンカーの種類
主に薬剤の充填方法と薬剤の形態によって種類が分けられます。
| 種類 | 特徴 | 適した用途 |
| カプセル型 | ガラスやビニールのカプセルに主剤と硬化剤が分かれて入っている。穴に入れてアンカー筋を回転・打撃してカプセルを破り、薬剤を混ぜて固める。 | 施工が簡単。一定の深さ・ボルト径の施工に適する。 |
| 注入型 | チューブやカートリッジに入った二液混合型の薬剤を、専用の注入ガンで穴に注入し、その後アンカー筋を差し込む。 | 穴の深さやボルト径が多様な場合、大口径の穴、深穴に適する。 |
【薬剤(樹脂)の種類】
・エポキシ樹脂系:硬化に時間はかかるが、高い強度と耐久性を持つ。水中や湿潤環境での施工が可能な製品もある。
・ビニルエステル樹脂系:速硬化性に優れ、早期に強度を発現する。高い強度も持ち、ひび割れ追従性に優れたタイプもある。
・ポリエステル樹脂系:比較的安価で、一般的な強度が必要な場合に用いられる。
ケミカルアンカーのカプセル型に使われる主な施工方式として、「回転・打撃型」と「打ち込み型」があり、それぞれカプセルの破壊・薬剤の撹拌方法が異なります。
| 項目 | 回転・打撃型 (HP/APなど) | 打ち込み型 (MUなど) |
| アンカー筋の形状 | 先端が斜めにカットされている(ナナメカットボルト)ものが多い。 | 先端が平らなもの(平先寸切りボルト)やL型、フック型などが使用可能。 |
| 施工に使用する 工具 | ハンマードリル(回転+打撃)や電気ドリル(回転のみ)を使用。 | **ハンマー(打込み棒)**を使用。 |
| カプセルの 破壊・撹拌 | アンカー筋を回転させながら(または回転+打撃で)カプセルにねじ込み、摩擦熱と回転力でカプセルを破砕し、薬剤を均一に混ぜ合わせる。 | アンカー筋をハンマーで打込み、衝撃でカプセルを破砕し、最後に数回転回して薬剤を混ぜ合わせる。 |
| 特徴 | * より均一で確実な撹拌が得られ、高い強度を発揮しやすい。* 施工にハンマードリルが必要。 | * 施工が比較的簡単で、手軽。* 撹拌ムラが発生しないよう、打ち込み後にしっかりと回転させる必要がある。* L型やフック型など、特殊な形状のアンカー筋も使える製品がある。 |
| 適した用途 | 高い強度や確実性が求められる、一般的な設備固定や構造補強。 | 簡便な施工を優先したい場合、または特殊形状のアンカー筋を使用したい場合。 |
・ボルトのナナメカット部がドリルとして機能し、回転しながらカプセルのガラス(またはフィルム)を砕き、薬剤を混ぜ込みます。
・この方式は、薬剤の撹拌が確実に行われやすいため、設計強度を安定して発揮しやすいとされます。
ARケミカルセッター HP/APタイプ 施工動画
・高性能樹脂『エポキシアクリレート樹脂』の採用により、優れた固着力を発揮
・非スチレンモノマーの採用により、いやな臭いが減少
・粒状硬化剤をカプセル全体に分散させたことで、ボルト打設時の樹脂との混合ムラを解消
・壁面、天井面にも施工可能
・抜群の耐アルカリ性能を発揮
・初期剛性が高く、靱性に優れる
・目的に応じたサイズ選定が可能(スタンダード・ショート・ロング)
・壁面、天井面にも施工可能
・アンカー筋をハンマーで打ち込む際の衝撃でカプセルを破砕し、その後の手回しや軽微な打込みで薬剤を混ぜます。
・回転式に比べ、専用の電動工具が不要で手軽に施工できるのが利点です。
ARケミカルセッター MUタイプ 施工動画
ケミカルボルトの長さを決める要素
ケミカルボルト(全ネジボルト)の全長は、以下の2つの部分の合計で決まります。
{有効埋め込み深さ} +{固定物の厚さ (t)} +{座金とナットの余裕}
長さ選びの注意点
・短すぎるとNG: 有効埋め込み深さが不足すると、必要な強度に達する前にアンカーが引き抜けてしまう(抜け出し破壊)ため、非常に危険です。
・長すぎるとコスト増・施工困難: 必要以上に長すぎると、材料費が増加し、特にカプセルタイプの場合、埋め込み深さが長すぎるとボルトが途中で止まってしまい、最後まで埋め込めなくなる可能性があります(一般に基準埋込長の2倍程度が上限)。
・注入型の場合: 注入型(カートリッジ式)は深穴や大口径の施工にも柔軟に対応できますが、必要な埋め込み深さはやはりメーカーの強度計算に基づいて決定します。
迷う場合は、固定物の厚さを正確に測り、使用するケミカルアンカーのメーカーに問い合わせるのが最も確実です。【サンコーテクノ 問い合わせ】
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