ハイテンションボルトと高強度ボルトの違いは?
今回は、「ハイテンションボルト」と「高強度ボルト」の違いについてです!
ハイテンションボルトと高強度ボルトは、文脈によっては同じものを指すこともありますが、建築分野における「高力ボルト(こうりょくボルト)」を指す場合が多く、その場合は用途と接合方法に最大の違いがあります。
建築・橋梁などの構造物に使われる「高力ボルト」は、「ハイテンションボルト」や「ハイテンボルト」とも呼ばれ、高張力鋼で作られた高い強度を持つボルト、ナット、座金のセット一式を指します。
| 名称 | 主な意味・用途 | 接合方法 |
|---|---|---|
| ハイテンションボルト (高力ボルト) | 建築や橋梁などの構造物に用いられる、高い張力で締め付けるためのボルト、ナット、座金のセット。 JIS B1186などで規定されており、F10TやS10Tなどの種類がある。 | 摩擦接合:ボルトの高い締付け力によって、接合部材間に強力な摩擦力を発生させ、その摩擦力で部材のずれを防ぐ。 |
| 高強度ボルト | 一般的に高い引張強さや降伏強さを持つボルトの総称。 ISOやJISの強度区分(例:8.8、10.9、12.9)で示される。 自動車、機械部品、建築金物など幅広い分野で使用される。 | 支圧接合(一般的なボルトと同様)や摩擦接合など、用途によって異なる。 摩擦接合に使う場合は、設計と施工管理が重要。 |
「ハイテンションボルト」は、特に建築・構造物において摩擦接合のために使う「高力ボルト」の通称である場合がほとんどです。
一方、「高強度ボルト」は、高い強度を持つボルトのより一般的な分類であり、ハイテンションボルトもその一種に含まれると言えます。
ハイテンションボルト(高力ボルト)の頭部径は、一般的に同じ呼び径(ねじの太さ)の標準的な六角ボルトと比べて大きいのが特徴です。
これは、高力ボルトが非常に高い張力で締め付けられることを前提としているため、座面圧力を低減し、ボルトの座屈や接合部材への食い込みを防ぐために設計された規格上の違いです。
| ボルトの種類 | 頭部(六角)のサイズ(対辺幅) |
|---|---|
| ハイテンションボルト(F10Tなど) | 同じ呼び径の標準ボルトより1サイズ大きく設計されている (ことが多い)。 |
| 標準的な六角ボルト(JIS B 1180など) | 標準的なサイズ。 |
具体例(JIS規格に基づく一例)
ボルトの**呼び径()と二面幅(:スパナの口幅)**を比較すると、以下のようになります。
| 呼び径(M) | 標準六角ボルトの二面幅 (S) | 高力六角ボルト(F10T)の二面幅 (S) |
|---|---|---|
| M16 | 24 mm | 27 mm |
| M20 | 30 mm | 32 mm |
| M22 | 32 mm | 36 mm |
このように、ハイテンションボルト(高力ボルト)は、高い締付けトルクに耐え、座面応力を分散させるために、頭部とナットのサイズが標準的なボルトよりも意図的に大きく設定されています。
ナットとの関係
このサイズアップは、ボルトの頭部だけでなく、ナットにも共通しています。高力ボルトはボルト、ナット、座金が一組(セット)として性能が保証されており、ナットも頭部と同様に大きく設計されています。これにより、適切な工具(スパナやレンチ)のサイズも標準ボルト用とは異なるため、施工時には注意が必要です。
【JFE ハイテンションボルト】
【高強度ボルト】
再利用(使いまわし)できるのは、**ハイテンションボルトではない、一般的な高強度ボルト(中ボルトや一部の一般強度ボルト)**です。
建築構造物に使用されるハイテンションボルト(高力ボルト)は、原則として再使用できません。
1. ハイテンションボルト(高力ボルト)が再利用できない理由
ハイテンションボルト(高力ボルト)は、高い張力で締め付ける「摩擦接合」に使用され、一度締め付けを行うと再利用はできません。
・塑性変形(伸び)が生じる
高いトルクで締め付ける際、ボルトには非常に大きな張力(軸力)がかかり、わずかですがボルトが引き伸ばされ、塑性変形(永久変形)が生じます。
一度伸びたボルトを再使用しても、新品時と同じ設計上の摩擦力を得るための安定した軸力を再現することはできません。
・潤滑処理の劣化
高力ボルトのナットには、安定したトルク係数を実現するための潤滑処理が施されています。一度締め付けて緩めると、この潤滑剤が剥がれたり変質したりするため、再度締め付けても規定の性能(軸力)が保証できなくなります。
・安全性の問題
建築物や橋梁などの主要な構造物に使うため、ボルトの緩みや破断は重大な事故につながります。このため、日本の建築基準や技術指針では、高力ボルトの再使用は明確に禁止されています。
2. 一般的な高強度ボルトや普通ボルトの場合
ハイテンションボルトではない、一般的な高強度ボルトや中ボルトについては、再利用が可能な場合がありますが、安全性が確保されている場合に限られます。
・一般的な(支圧接合の)ボルト
一般的な用途のボルトは、ボルト自体に永久変形が生じるほどの高トルクで締め付けないため、ネジ山や頭部に損傷やサビ、摩耗がなければ再利用できることが多いです。
ただし、重要な箇所や、高い信頼性が求められる機械(自動車のエンジンなど)に使用されるボルト・ナットの中には、**「塑性域締め付けボルト」**など、一度締め付けたら必ず交換することが義務付けられているものもあります。
・再利用する際の注意点
損傷の確認:ネジ山が潰れていないか、サビや摩耗がないかを確認する必要があります。
重要性の判断:人命や構造物の安全性に関わる重要な箇所には、原則として新品を使用することが推奨されます。
潤滑剤:再利用の際は、摩擦係数を安定させ、狙い通りの軸力を得るために、適切な潤滑剤を使用することが推奨されます。
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